1週間に半日くらいしかお日様を見ない。
山あいの田んぼでも、稲が黄色く実り、頭を垂れているが、刈り取りできない。
かつての敬老の日を前にして、やっと待望の稲刈りになった。
私は、やらない。子どもの頃に手伝った経験を思い出す。
1軒先の老父が、一人でのんびりとやっている。
昔の人だから、仕事が丁寧だ。
巻き尺でも当てたように、はざがけの稲束が並んでぶら下がっている。
誰が手伝ってくれるのでもなく、何時までに片付けなければならないもないものだか
ら、楽しそうにやっていると見える。
畦の彼岸花が応援しているようだ。
刈り取った後に虫が飛び出し、追いかけるシラサギが、また彼の話し相手だ。