こんな新聞記事があった。
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たくさんの人が新しい仕事を始める季節。業務に意味を見いだせない、労働
条件がひどい、職場の空気が悪い……と、仕事の悩みも増えるころだ。
「クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか」という、ぶっ飛んだ副題の本を書い
た大学教授に会ってきた。
「ブルシットジョブ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。日本語でいう
と、「クソどうでもいい仕事」。
定義はこうだ。「本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味
で、不必要で、有害でさえある有償の雇用」
なのに、地位も報酬も高い
米国の人類学者D・グレーバーが『ブルショット・ジョブ』で論じ、世界で話題に
なった。一 昨年、この本を翻訳したのが大阪公立大の酒井隆史教授だ。(以下略)
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老舗紙だ。 「大阪公立大」はない。「の」が入るか、「市」あるいは「府」だ。
見出しが、
「クソどうでもいい仕事」なぜ増える やりがい搾取、のりこえるには だ。
筆者の言葉を引用しているわけだが、「クソ」はどうかなと思う。
勿論名詞ではなく、若者言葉の「すごく~」を表現しているらしい。
こんな大きな新聞が、いきなり使うのデスか。
なにくそ、というふうに、感動詞に使うのがいい。
頭が、流行言葉に汚染されている。
あの、吉野家の常務取締役の「生娘をシャブ漬け」発言も、同じようなところから
飛び出したのだろうと推測する。
言葉が汚され、壊されている。
口先だけではなく、言葉を生み出すところからやられているのだから怖ろしい。
― 読み手を誘うタイトルを好まぬ芸無し人 ―