まず天気の話をするのは、老人の証か。
日光や那須の山の雪か少なくなってきたのに、弱くても西風が薄着になった身に当たる。
南の方で開いた桜は長持ちすると喜ばれている。
私は気温が少し上がっても走れず、山路を歩く。
早春の花にあう。
かたくり いちりんそう
時流れきてかたくりの一つ花 楸邨 道なき谷一輪草の寂しさよ 知世子
しょうじょうばかま しゅんらん
猩々袴咲くやそぞろの神がゐて 公司 春蘭や雨をふくみてうすみどり 久女
素朴な野の花たちは、桜の開花を呼ぶように咲いている。