終日、南からの熱風が吹き荒れた。
何百kmも離れている台風の威力は凄い。
真夏日は、連続10日目になった。
太い樹の幹を揺らし、緑の葉まで落として散らかした。
人々は氷をほしがり、冷房にすがった。
確かに、夕方まで蝉時雨。
街角の老婦人の日傘。
畑の隅の、去年の種が落ちて伸びた向日葵も、黄色い花びらを広げだした。夏色を主張している。
本当に夏が来てしまったんだなぁ。暑いの苦手なんだよ。
立葵が天辺まで咲いているからね。
いつもの樹に、季節を知らせるように来るクワガタやカブトムシは、まだ来ていない。