台風が過ぎてからにするか、もっと近くなって
からがいいかなどと迷ったあげくに、やっとの思
いで「墓薙ぎ」をした。
本来は七日盆と言って、盆に入る日に行うのが
もともとらしいが、もう「釜の蓋」もやっているか
ら、ここらあたりでいいのではないかと考えた。
父と母が生前にきちんと形にしておいたものを
受け継いだだけで、雑草や枯れ枝の中に忘れていた。
そう、昔を思い出しながら、それらを払い除け、
石碑を水を含ませたタオルで、ごしごしと力任せにこする。
蝉時雨の中を帰る。
お盆を迎える準備がまた一つ進んで、心の何処かで
安心しているのが分かる。
七日後に迎えに来ますと、頭を垂れた。
今日は、立秋だった。