「それは、でっち上げで、魔女狩りだ。」と言ったのは、米トランプ大統領。
民主党のバイデン前副大統領の息子をめぐる調査に協力するように
ウクライナの大統領に圧力をかけた疑いがあると報じられたことに
ついて、こう反発し疑惑を否定した。
バイデン氏は来年の大統領選挙に向けた民主党の有力候補の1人で、
民主党は、再選を目指すトランプ大統領が、外交を政治的に利用しよう
とした疑いがあると批判した。
魔女狩りといえば、
キリスト教徒の間で、魔女とされた人々に加えられた摘発、投獄、拷問、裁判、
処刑、追放などの迫害行為。
魔女信仰はヨーロッパに古くからあったが、キリスト教徒もこれを継承して様々
の俗信を展開させ、地上での魔王の手下として特に悪魔との性交によって超能力を
獲得、人畜に災いをもたらす魔女を恐れた。
高校の世界史の教科書(山川出版)の記述によれば、
教会は初め、魔女とされた人々には迷信禁止の態度で臨むだけであったが、
12世紀頃から異端弾圧と重ねて積極的な魔女取り締まりが行なわれるようになり
15世紀頃には教皇の教書やドミニコ会士の悪魔学の書をもとに、仏独などを中心
に大規模な迫害が行なわれた。
異端者、ユダヤ人をはじめ、思想的、精神的、身体的に異質であるとされた人々
までもが魔女として残酷、不条理な迫害を受けた。
カトリック、プロテスタントを問わず、集団ヒステリーとして広がり、アメリカ新
大陸にまで持ち込まれ18世紀まで続いた。
トランプ大統領の「魔女狩り」が、どこから来ているのか見たかったのだ。
魔女狩りは、カトリック、プロテスタントを問わず、集団ヒステリーとして広が
り、アメリカ新大陸にまで持ち込まれ、強者が弱者を、また多数者が少数者を裁く異
常な社会心理は、マッカーシズム(16世紀の米)のように、現代にもその根を残した。
ヨーロッパのキリスト教の世界からのことかと思っていたら、新大陸にもあり、それ
を学んでいたかと分かった。
しかし、彼には似合わない比喩だ。