形ばかりの敬意

 

 文字によるニュースで、「恭しい」という言葉を目にした。23日Yahoo!News

   通夜の受付で香奠を差し出す人の振る舞いを言っていた。

 

「恭」は、恭賀とか、恭順と使い、常用漢字(高校在学中レベル)だが、訓読みして「うやうやしい」と使うのはあまり見ない。

         

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 「うやうやしい」の意味が、つつしむ、かしこまる、礼儀正しくつつしむ、などであることは、私たちの生活の中の仕草を表現しているとすれば、理解できる。

 このニュースは、過剰に敬意を払った自分の本心を理解してくれよと言ったようだ、とその人物の行動を言い表しているようだ。― 違っていないかもしれない。

 

 いや、それでいい。

 この人物の行動は、賞賛されるべきものではなかっただろうから。

 

 好ましく思えない謙譲語や美化語を氾濫させて、日本語の最も美しい部分を汚していてる私たちの世代、丁寧語「です・ます」に戻って使いたい。

   参考『敬語の指針』文化審議会答申 平成19年2月2日

 誰も聞いていないだろう。だが、私は独り言を続けよう。