シーズンで最高の「先発完投型」投手を表彰する「沢村賞」が19年ぶりに「該当者」なしとなった。
満を持して第4戦に先発した、かつての受賞者菅野智之投手が打たれるくらいだから、ほかに賞に値する投手はいなかったろう。
今年は調子が上がらなかったから仕方がない。
近年のプロ野球は変わってきている。
9回を締めるストッパーに加え、7、8回を担うセットアッパーの役割も
重視されるようになり、もはや先発完投型の投手は絶滅寸前だ。
米野球の模倣だ。
投球のカウントさえ、ボールを先に言うくらいだから情けない。
今季、沢村賞の選考基準7項目の中で1人も到達者がいなかったのは、
投球回 200 以上 と 完投10試合以上 の2つ。
沢村賞でも近年、「日本版QS」として、「7回以上自責点3点以内」を選考の参考資料に加えている。 ― 選考委員長堀内恒夫氏は、先発投手が中6日が基本になっている日本球界の「過保護」苦言を呈し、賞の権威を守ると言っている。
鍛えるべき高校生の時代から、投球制限や分業制を考えているくらいだから、完投する投手は減っていくだろう。
委員はいずれも200勝以上を達成している往年の名投手。「先発完投型」の復活を願う声が相次いだらしい。堀内恒夫氏 村田兆治氏 平松政次氏 山田久志氏 北別府学氏