墓薙ぎ

 

 伝えられている暦通り、墓薙ぎをした。

 雑木林の中にあるから、ここも草だらけだった。

 

        

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 何代前だか分からないほどの墓は、その奥にある。

 土葬だった場所に唐櫃かろうどを作って、石塔を建てた。

 囲いの檜を間引いて、西日が差すようにしたつもりだ。

 

 さすがに、この時季になると、緑の中にあった。

 蚊とも闘い、年一回の怠けを悔いながら、水とタオルで碑を磨いた。

 

        暮れ方、夕だちが来た。よごれてしまったか。

          お迎えまでに、もう一度行かなければならないか。