棚田にも雨

 

 ゴールデンウィークの初日は、全国的に雨になった。

 コロナとはいっても、緊急事態宣言は4都府県だから、観光地にとっては訪れる客の

少ない、困ったスタートになってしまっただろう。

 

 ここら山あいでも、連休こそ田植え時だ。

 兼業農家では、事業所が長期休業に入った時が、農繁期なのだ。

 

 私は田んぼを受け継いでいながら、耕作を放棄している。

 

 

 山あいに入った所に、棚田がある集落がある。

 温泉が出て、陶芸の窯元もあり、訪れる人も時々ある。

 

        

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          日本で最も美しい村連合に加盟H.25.10

 

 働き手の中心は高齢者で、子や孫のために稲作りを続けている。

 会社勤めの子どもたちも、頑張るしかない。

 

 

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 トラクターも田植機も動いていない。

 これまで何十年と繰り返されてきた人手による田植えの風景だ。

 

 彼らは、今日の雨など怖くはない。

 

 黙々と作業が繰り返され、水輪をつくる田んぼは苗で埋められていく。

 

 これからも続いていくのだろう、棚田にも雨が降る悠久の景色だ。