不如帰初音す

 

 明け方の空をほととぎすが渡った。

 高い空の筈だか、やっと雨が止み、何とか晴れるだろうという空だ。

 声は山から出て来たばかりなのに、今年初めてとは思えない

        キョッキョッ キョキョキョキョ ・・・ 。

 

        

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 2、3度行ったが、姿は遠く残せなかった。

 ほととぎすは、このくらいのほの暗さが好きなのかもしれない。

 

 

 その空の底の篠薮で、うぐいすが競うように鳴いた。

 残念ながら時は過ぎ、交替の時季が来ただろう。

 

        

        f:id:komut:20210523085048j:plain 篠も黄葉している

 

        まだ雌に産卵を促しているのか。

 

 時は移っている。加速してさえいる。

 私の老化も同様か。天気は回復しない。