頭部裂傷から1か月と3日目になった。
右眉毛の上と、こめかみ上部の2本の傷は、かさぶたがとれて、テカテカと光った線になっている。
かさぶたができると傷が治りやすいと考えていたが、これは間違いで
傷の表面が乾燥して固まってかえって傷の治癒を邪魔するのだそうだ。
確かに、傷の底から肉が盛り上がって、かさぶたを押し出さないとれない。
治ったといっても、光った2本の線は、何か異変があったことを物語っいるようだ。
絆創膏のとれたそれが目立って、その訳を聞く人もある。
庭で小石に躓いて、大きな方に頭をぶつけてしまった、と笑いながら言う。
ついでに、出血、救急、縫合、抜糸、CT、などにまで説明することになる。
大概、とんでもない大事に至らなかったことをともに喜んでくれながら、自分
もよく小さな段差に足を取られて転倒することがある、などと頷いてまた笑う。
はい。
この程度で、本当に大事にならなくてよかったですと、しばらくぶりの人に答える。
心の中で、それに加えている。
大怪我にならなかったのは好運でした。
普通に歩いていたら、頭をぶつける前に手でかばっていたはずです。ちょっと元気が
あって、走っていたから突っ込んでしまったんです。へ、へ、へ ・・・。