金曜日まで、サラリーマンとして生活してくると、土曜日の朝はスローに始まりたい。
そしてまもなく、ラジオから朗読が流れるのを楽しむ。
堀江敏幸作「砂売りが通る」。(『熊の敷石』に収録されている。)
幼児から多感な思春期の少女時代を、友人の妹を浜辺で見てきた。そして成熟したひとりの女性の姿に感慨深く眺める主人公の心模様に引き付けられる。時間の経過と共に消される運命の砂の城。そこに戯れる幼子がふたりのキュ一ピット役になってくれることを期待してしまう。
フランスでは眠くなることを「砂売りが通った」と言うらしい。
その「熊の敷石」は、まだ読んでない。
私が迷い込んだ山の中で、足元でうごめくもの
を最初は毛虫の絨毯だと思っていたが、走って逃げ、遠くから見たら実は無数の熊の背中だったと
気づくというなんとも不思議な夢のシーンの冒頭。
その文章を探しに、今日も古本屋へ行く。
10~15年くらい前に書かれた本を見ていると、作者は私より10歳前後若いことが多い。
こんな2冊に出くわした。
左、右少しずつ交互に読み始めてしまった。
ああ、明日は2日分動かなければなかない。