逆プルースト効果


 気温が下がって、朝から澄み渡っている空気に、金木犀の香りが漂い、ゆっくりと広がっている。
 見上げる高さの枝からは、甘く強い芳香が降りかかってくるようだ。

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 匂いは、過去の記憶を鮮やかに思い出させることがある。
 
 この金木犀の香りだって、私に小さい頃の晴天の下の運動会や、子どもたちと行った歩く遠足の記憶を蘇らせる。
 同時に「脳」の働きによって、その時の「暑い・がんばれ・疲れた」まで思い出させる。

    この現象を「プルースト効果」という。
    香りがきっかけになり幼少時の記憶が蘇る描写のある
   小説「失われた時を求めて」の作者マルセル・プルースト
   から名付けられた。

      イメージ 2 私は、挑戦しようとしている。

 今の、私の確かな感情を伴った、今日のデジャビュを記憶に残せるほどに昇華させようとしている。
 金木犀の香りに、逆プルースト効果を試みる。