吃音調は作戦か


 「これは議員立法議員立法でありますから、国会でお決めになる、国会でお決めになることでございます。」と、まるで他人事のような首相の答弁の山。

 吃音なのかと思われた繰り返しは、時間の引き延ばしだったようだ。(マスコミ)
 質問者、延いては国民さえ愚弄するような敬語の並べ様。この「お」は不要だし、「ございます」を多用する国会答弁には辟易する。


       イメージ 1 7日朝日デジ


 今国会初めての党首討論は、自民党などがカジノ法案を週内にも成立させようと急ぐさなかに開かれた。

 45分という党首討論の時間が過ぎるのを待つかのような、安倍首相の姿勢に呆れる。質問に、まともに答えない。聞かれた趣旨とずれた発言を長々と続ける。

     自らの持論や党是によって相手を論破するのではなく、
    引き延ばしや無意味な言葉の反復などによって、討論の
    方向を失わせる。
 
 「なぜカジノ解禁なのか。」との民進党蓮舫代表の質問に、
 首相の答弁は「(シンガポールで視察した)統合リゾート施設はカジノの床面積は3%のみだった。」

 さらに「カジノはなぜ問題なのか。負けた人の賭け金が収益だからだ。どこが成長産業なのか。」と質すと、
 首相は「統合リゾート施設には投資があり、雇用につながる。」と。
 
     根強い反対・慎重論がある国民に、少しでも理解を広げたいと
    思うなら、首相はもっと誠実に蓮舫氏との議論にこたえるべき    
    だった。「駆けつけ警護」の問題でも同様であった。

 国会は与党が圧倒的多数を握る。「数の力」を背景に、野党の異論に誠実にこたえない。党首討論での首相の振る舞いは、今国会で政府・与党が何度も見せた姿と重なって見える。