珈琲で太宰の『人間失格』を


 「八つ時やつどき」に、珈琲を飲んだ。

 レギュラーコーヒーなんて、車で10分も走らないと口に出来ない所に住んでいるから、ドリップバッグコーヒーだ。


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   やなか珈琲店(東京)が、NECのAIに日本の名作文学の読後感で
  あるレビュー文を読み込ませ、その読後感を5つの味で表現させ
  て、 それぞれの味わいをブレンドコーヒーで再現した、という。
   純文学6作品のうち、太宰治の「人間失格」に注目した。


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  高地産アラビカ種などをベースに、

  スムーズな飲み口のペルー、
  すっきりした苦みのブラジル
            をブレンド

  淡々と語られる人間の弱さわを、滑
 らかな口当たりで飲みやすく、質の高
 い豊かな苦みで表現した。
          (同店の商品説明)



 『人間失格』を読むには、青空文庫が便利だ。

 youtube で朗読してくれているから、のんびりと聴くもいい。



     人間失格    太宰治
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  私は、その男の写真を三葉、見たことがある。 
   一葉は、その男の、幼年時代、とでも言う
 べきであろうか。十歳前後かと推定される頃の
 写真であって、その子供が大勢の女のひとに  
 取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、
 妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)
  庭園の池のほとりに荒い縞の袴をはいて立ち、首を三十度ほど左に 
 傾け、醜く笑っている写真である。けれども、鈍い人たち(つまり、
 美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔を
 して、「可愛い坊ちゃんですね」 ・・・。


 今日は,珈琲でよかった。
 本当は酒の方がいい。
 太宰だって、そっちだったはずだ。

 上手く、酔えている。