今日から、もう5月。
息をしているだけでも、黙っていても、考えているだけでも、
時は流れ、季節が進み、森羅万象は変化へんげし、
私は置いてけぼり…。
私の荒れ地の黄色が、
一斉に白いぽんぽんの綿毛になった。
季節の先送りが
この花々を早いところ熟させている。
考えないのはいけないよ。
時に流されるだけ。
変わらないものを求めて
いつまでも変わらないと信じて
タンポポが綿毛を飛ばす。
ねがいごと
たんぽぽ はるか(工藤直子)
あいたくて
あいたくて
あいたくて
あいたくて
・・・
きょうも
わたげを
とばします
その確かな点から、春が広がる。
作者を、”たんぽぽはるか”とすることで、相手への恋心が遠い憧れで、手の届きそうもない遠くにあることを思わせる。