5月に入って、30℃近い日があったと思ったら、続けて雨が来た。
連休だから、俄に晴れてよかったのも束の間、雹まで降って冷えた。
近所でひっそりと、著莪しゃがや燕子花かきつばたが咲いている。
燕子花
「ひっそりと」は、あやめや花菖蒲に比して豪華さを控えていると思
えることだ。
京都で、国の天然記念物に指定されている燕子花が見頃を迎えている
約2千平方メートルの大田ノ沢に、約2万5千株が
群生している、という。
尾形光琳の「燕子花図(かきつばたず)」も、この群落
をモデルにしたのではないかといわれている。
新緑の境内に上品な紫が映え、訪れる人たちの目を楽しませていることだろう。
この
大田神社の燕子花を、俊成(
平安時代の
歌人 藤原俊成)が詠んでいる。一面の燕子花を一途な恋心に例えて詠むなど、古くから名所として親しまれてきた。
神山の大田の沢のかきつばた
ふかきたのみは 色にみゆらむ
かきつばたに、深くお願いする恋(いろ)は、かきつばたの
紫色に表れているようだ。)
例年より1週間ほど早く開花したという。今月半ばごろまで楽しめる見込みだとも …。