花どき鍛え時


 その私に降りかかる甘い香りは、牡丹ほど重くはなく、紫陽花ほど弱くはない。
 それでも、枝や葉っぱの間から絶え間なく落ちて、私を包む。


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 ここで、Iアイアンの練習をする。
 芝ではなく、土から打つと、ミスヒットがよく分かる。
 50歳代前半までのよかった調子には戻らない。まだ、…。
 打つ球数で勝負しようとしている。


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 血染めのグローブは、何とか通り越した。
 感触はまだまだだが。


 1Wの練習は、納屋の中のネットに向かってやる。
 10年前のショットを取り戻せるような錯覚に陥っている …。


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 とりあえず誰に迷惑をかけることもなく、あの頃の感触を追いかける。
 アマチュアの力が問われるのは夏から秋にかけてだ。
 だから、この花が咲いている頃は、自らを鍛えるときなのだ。