土砂降り仕方がない

 

 朝からの雨が嘘のように上がって、昼から晴れた。

 西日が指して、山家がゆっくり暮れていく。

        

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        夕方、束の間の、西からの日差し

 

 朝は、土砂降りだった。

 九州の雨が関東にやって来たのだ、と思った。

 

 雨を逃げたウマオイが、晴耕雨読を促した。

  ― 本日の予定 すべて 取り消し

          

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             玄関の戸にウマオイ

 

 芥川の『羅生門』を思い出した。

 この短編の思惑には全く関係ないだろうが ・・・。

  

    ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみ

   を待っていた。広い門の下には、この男のほかに誰もいない。 

    ただ、所々丹塗げた、大き円柱に、蟋蟀きりぎりす が一匹

   止まっている。・・・ この男のほかには誰もいない ・・・。

 

  私も一人、下人と同じ。

 夕方から「晴耕雨読」を呑んだ。

                       

  ちょうどいい具合に酔いが回っている。

 『羅生門』のせいであり、焼酎「晴耕雨読」の効果だ。

 

 朝の雨は仕方がなかった。

         

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