外から帰ってきた。
ここも、まだいつもより時々冷たい北風が来る。
小石と芝の庭に、スギナが点々と煩わしく目立ったいる。
一つ二つと追いかけると手一杯になって、もみじの生け垣に行き着く。
もみじは赤い若葉になっいて、西陽を受けた十二単衣じゅうにひとえのすがたを際立た
せている。
それで一息つくが、普段さぼっている分、なかなか終わりがみえない。
こっちも意地になって、缶ビールを持ち出してやっつける。
後は、あいつに任せることにしてやめた。
何という、いい夕暮れだ。
振り返ると、満月間近の月が色を濃くしてきた。
やっと風がおさまった。
主の帰宅を待っていたのは、こんな風景だけではあった。