近くの事務机にケースに入った本を見つけた。
隣人の妹が、高校の図書館で借りてきたものらしい。
『終物語』(下)の本文は、…
003
呉越同舟と言えば言い過ぎだろうが、烏合の衆という感は否めな
かった―しかしそろっている面子の凄まじさを思うと、本来多士済
済と言ってもいい組み合わせでもある。なのに雑多な感じがどうし
ても生じてしまうのは、互いに、―互い違いに食い合わせの悪さが
あるからだろう。
忍野忍―海外から飛来した伝説の吸血鬼の完全体。
八九寺真宵―地獄から復活した幽霊。
斧乃木余接―主が逐電した武神の死体人形。
臥伊豆湖―怪異退治の専門家。その元締め。
そして僕こと阿良々木暦は、元人間で元吸血鬼の現人間だった―
利害関係があるようでないようで、意識が一致しているようでしな
いようで、まあ、客観的にみれば、変な連中が公園にたむろしてい
るようにしか見えないだろう。
― そんな状況説明がある。結構読み進みそうだ。―