車で歩いていても、道端に赤い点々を見かける。
多分、彼岸花だと思う。
用事で出掛けた帰りに、どうだろうと思って、遠回りしてみた。
まだ少し早いようだ。
満開にはまだ間があるが、十分に楽しめる。
田んぼの畦にあるが、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説がある。
咲く様子から、「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」などの呼び名がある。
「妖しさ」も、感じられる。
啄木の短歌に、こういうのがある。
教室の窓より遁(逃)げてただ一人
かの城址に寝に行きしかな
に映えながら、私を誘惑していた。ついにその時が来たとばか
りに、私は窓からび出し、曼珠沙華に囲まれてまどろんだ。〉
今、「エスケープ」なんて、したら大変だ。
いや、もう死語かな。