『砂売りが通る』をヒントに、『雪沼とその周辺』を読み始めた。
以前「砂を売るとは、何を喩えているのか。」、「砂を売る仕事があるのか」などと思った。(仏語で、眠くなること。)
その短編を収録するのが『熊の敷石』(01年芥川賞受賞)で、「熊の形にした敷石を並べているのか。」とも想像していた。
はて「雪沼」という沼は、どこにあったか。
解説に、「一冊の小説を読むというのは、その間だけ別世界に居を移すことである・・・。」などとあるから、どうしたらいいか迷路に入った。
沼には行き着かない。
解説者が、その後ろの方で何とか言っているようだ。
どこかに実際にありそうな地名だ。『砂売りが通る』でも、出来事も、登場人物の抱える喜びや哀しみも、身近に感じられた。
作者のの登場人物たちに対する視線の温かさゆえ、心穏やかに読めそうだ。