森絵都から広がった読書は、短編集「恋のトビラ」から「最後の恋プレミアム」に移った。
その隣に、私の年齢に最も近い著者乃南アサの『それは秘密の』があった。
台風の暴風域に突入した時、友人の見舞いの帰りの運転中に、
トンネルで土砂崩れに遭遇する政治家。土砂に埋もれたバスから
女性を助け出し、一晩二人で過ごす。
顔も真っ暗で見えない。相手が誰か名前もわからない。些細な
顔も真っ暗で見えない。相手が誰か名前もわからない。些細な
会話で朝と救助を待つ。暗闇の中だと素直になんでも吐き出せる。
位置を知らせるために女性が歌を唄う。「ひみつの ・・・」
位置を知らせるために女性が歌を唄う。「ひみつの ・・・」
そんな大災害の中でも不思議なまったくの他人との、年がいも
なく胸がどきどきする時間 ・・・。
やがて夜は明け、救助隊のヘリで別々の方向に救助される。
やがて夜は明け、救助隊のヘリで別々の方向に救助される。
「彼女のほのかな・・・から消えそうになかった。」と閉じられる。
文庫版58頁分の文章に、二つ付箋をつけたが、彼に倣うべきか。