エンドロールを最後まで見るようになった


 阿藤快 - 先日亡くなった俳優の阿藤快さん。
 撮影の休憩時間に、共演する若い俳優に、
 「映画を映画館で観るかい。映画館で観るのは、テレビやDVDと違うからね。映画館で観るといいよ。」
 と、よく言っていたとTVが言っていた。

 思い起こすが、頷くほどの経験はない。
 そうだ。どうせ、時間は捨てるほどあるんだからと、行くことにした。

 イメージ 1 7日に公開された、桜木紫乃原作の
 『起終点駅 ターミナル』(東映)にした。

  先月末に公開のコマーシャルを見て
 いたので、文庫版を買って途中まで読
 んでいた。(表題の文庫版にして60頁
 の短編作品。新本で買うなんて50冊
 ぶりぐらいだろうか。)
  音楽 小林武史 監督 篠原哲雄
  舞台 北海道釧路

 今まで「読んでから観る」だったが、「観てから読む」ことになった。
 -映画公式サイトの紹介の一部-
    
   撮影は原作と同じく北海道・釧路にて1ヵ月以上にわたってロケを
  敢行。愛した人と逢瀬を重ねた海沿いの街、その彼女が消えていった
  雪景色、裁判所へつづくゆるやかな坂道、そして駅から駅へどこまで
  も続く線路──。そんな北海道・釧路の美しく悲しく力強い情景とと
  もに描かれる、今を生きる2人の男女の未来への一歩。その一歩は、
  すべての人の始発駅になる。

 初老の男に、始発駅などあるだろうか。何処へ向かうなど問わないから。

 このタイトル「エンドロールを最後まで見るようになった」だが、「映画館で観る」ことで変わったという一つの答えだ。これは荻原浩の『エンドロールを最後まで』(新潮文庫「最後の恋MEN’S」)からきている。
 
 この話の主人公の千帆の選択が、あまり好ましく         イメージ 2
ない方向に進んでいるが、清水の舞台から飛び降り    
るくらいの決断だったので、半分やけになって続け
ているようなものなのだ。

 話の最後を、作者は、こう結んでいる。
  「エンドロールは最後まで見なければ、たとえハッピーエンドで
         なくっても。それが劇場に足を踏み入れた人間の義務だから。」