撮影の休憩時間に、共演する若い俳優に、
「映画を映画館で観るかい。映画館で観るのは、テレビやDVDと違うからね。映画館で観るといいよ。」
と、よく言っていたとTVが言っていた。
思い起こすが、頷くほどの経験はない。
そうだ。どうせ、時間は捨てるほどあるんだからと、行くことにした。
7日に公開された、桜木紫乃原作の
『起終点駅 ターミナル』(東映)にした。
先月末に公開のコマーシャルを見て
いたので、文庫版を買って途中まで読
んでいた。(表題の文庫版にして60頁
の短編作品。新本で買うなんて50冊
ぶりぐらいだろうか。)
舞台 北海道釧路
今まで「読んでから観る」だったが、「観てから読む」ことになった。
-映画公式サイトの紹介の一部-
撮影は原作と同じく北海道・釧路にて1ヵ月以上にわたってロケを
敢行。愛した人と逢瀬を重ねた海沿いの街、その彼女が消えていった
雪景色、裁判所へつづくゆるやかな坂道、そして駅から駅へどこまで
も続く線路──。そんな北海道・釧路の美しく悲しく力強い情景とと
もに描かれる、今を生きる2人の男女の未来への一歩。その一歩は、
すべての人の始発駅になる。
初老の男に、始発駅などあるだろうか。何処へ向かうなど問わないから。
この話の主人公の千帆の選択が、あまり好ましく
ない方向に進んでいるが、清水の舞台から飛び降り
るくらいの決断だったので、半分やけになって続け
ているようなものなのだ。
話の最後を、作者は、こう結んでいる。
「エンドロールは最後まで見なければ、たとえハッピーエンドで
なくっても。それが劇場に足を踏み入れた人間の義務だから。」