伝える側の意図


 ある新聞のコラム欄で読んだ。
 
   
 
    鉄壁の警備で犯罪許さず。警備員の意地を見せ付ける。
    15日昼下がり。鬼怒市東町のデパート内にある高級ブラン
   ド店に男が訪れた。落ち着いた服装であったが、バッグを
   々
と手に取るも、じっくり見ることも買うそぶりもない。
   怪しい」。店は、1人だった店頭の警備員を2名に増やした。

    警備員の松木一斗(まつきかずと)さん(46)と梅田貴之
   (うめだたかゆき)さん(28)が目を光らせる。1時間ほど空
   けて繰り返し来店する男。
    男が三たび店に足を踏み入れて、バッグを次々と手に取って
   見る。男がより高級なものを求めるのに店員が接客し、ガラ
   ・ケ
ースから商談席にバッグ3点を並べると、何食わぬ顔で
   ッ
グを手に取って店の外へ。

    「お会計済んでませんよ」と声を掛ける杉山さん。男は、や
   にわに身長188センチの杉山さんの胸ぐらをつかみ、勢いをつ
   けて体当たり。盗みは絶対許さない。松木さんと梅田さんは立
   ちはだかり、「壁」となる。事後強盗容疑で男を常人逮捕した。

    2人は26日、鬼怒警察署から感謝状を贈られた。「無我夢中
   だった」と松木さん。梅田さんは「感謝状は今後の励み」と。
    「鉄壁」の守りだった。
                    (加工・極少 固有名詞・架空)
   
 
  事件を知らせる記事ではなくコラムなので、窃盗事件の時の警備
  員の勇敢な鉄壁の守りが伝わってきた。

  少ないスペースで知らせるために、事件を端的に表現する言葉が
  選ばれていて分かりやすい。しかも、効果的に配置されている。
   文末は、どうだろう。・中黒、促音、「 」の使い方はどうか。ワー
  プロソフトが禁則処理をしてくれなかったか。
   
   重ね字「々」はどうだろう。紙面の一段は12字程度だからつながり
  が悪くなることもないが、文頭の「々」には首をかしげる
   時間に追われ、少ない人手だと、人の目で校正されることも・・・。