長崎ぶらぶら節


 時の総理大臣の「一億総活躍社会」に、「一億総白痴化」を連想しながらも、音楽や映画・スポーツに限って長い時間付き合うことがある。

         イメージ 1   東映長崎ぶらぶら節


 「長崎ぶらぶら節」を、寸分違わず観た。

 北酒場、あなたならどうする、時には娼婦のように 等数々のヒット歌謡曲の作詞家なかにし礼の小説を映画化したものだ。
 吉永小百合、渡哲也の配役もあって高い評価を得てきた。


 小説は、映画化の前年1999年10月に刊行され、直木賞を受賞した。
 
 イメージ 2  長崎・丸山遊里の芸者愛八あげはちが初めて本当の恋
 をしたのは、長崎学の確立を目指す研究者・古賀十二
 郎だった。「な、おいと一緒に、長崎の古か歌ば探し
 て歩かんね。」古賀の破産を契機に長崎の古い歌を求
 めて苦難の道を歩み始める二人と、忘れられた名曲
 「長崎ぶらぶら節」との出会い。そして、父親のいな
 い貧しい少女お雪をはじめ人々に捧げた愛八の無償の
 愛を描いている。

 
 これも、文庫本で中断していたので、観てから読むになってしまう。  

 明治・大正・昭和を生きた芸者の生涯。心の奥底に届くような懐かしさや力強さがある民間伝承の歌。お雪に自分を重ねるまで昇華させる無償の愛。古賀十二郎と愛八、長崎ぶらぶら節を通じて得られた、男と女という形では添い遂げられなかった愛の存在。