あの優秀な学生が集まる東京工業大学の入学式で、学長が英語で式辞を述べたことが、ニュースになった。
それに堪え得る入学生であることは想像に難くない。
The Tokyo Tech community is pleased to
welcome new stugents.
(皆さんの本学への入学を歓迎します。)
同大の広報センターによると、グローバル人材育成の一環として 国際的な舞台での活躍を目指してほしいという思いを込めたとしている。
日本人が日本人に挨拶する時、外国語を用いることに意味があるだろうか。外国語を使うというアピールにはなっただろう。
英語は単なる「実用的ツール」だ。
より大切なことは、日本人としてのアイデンティティーを持ちながら、そのツールを使って、広い視野に立って教養と専門性を培うことであり、学習や研究を進めることことだろう。
STAP細胞の小保方さんが手記『あの日』を出版したのについで、
全文英語のホームページを公表した。その名も、「STAP HOPE PAGE」。
「このホームページを立ち上げた目的は、科学
(公表の反響大でアクセスが殺到して閲覧が一時不可能だったとか。)
このページが科学コミュニティに向けたものであることを明言し
ている。ーーだから、英語で書いているのだ。
小保方さん自ら、このページが、『あの日』を読んで「小保方さ
んを信じます。」という人たちに向けたものではないと言ってい
る。ーーだから、日本語ではなく英語なのだ。
STAP細胞は再現されるのかどうか。英語の向いているコミュニ
ティが成功しなければ、どこかの研究者が成功しても意味がないの
だという。
あるスポーツで、選手を海外のチームに移籍させて育成し、有名選手を監督として招聘して、世界で勝とうとしている。
この監督は、指示もインタビューも母国語でしか話さない。生まれ育
てた国で形成されたアイデンティティーがそうさせているのだ。
平成23年度から小5・6年で年35時間行われている「外国語活動」が
30年から先行実施(小3で必修化・小5から教科化)される。
強い国の言語や文化より、自国のそれが先だろう。