やっぱり、雨。弱いが、当てが外れる。
遠くで、低く
ホトトギスの声が聞こえる。私には初音。
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(
ホトトギス) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ
・・・・・
卯の花は〈卯月の花〉で、白い花の空木
うつぎの仲間。
山里でも少なくなっている。
刈り入れを待つ麦畑のかどや、緑を増して来た田んぼの土手の隅で、区切ったりアクセントを付けたりしている。
雨が上がると、一歩夏に近づく。