赤とんぼの中を走った。
この辺りでは高い方の山の中腹だから
300mくらいだ。
週半ばだし、この山の登山者のための
駐車場に車はない。
誰もいないところを探して走るので、「当てた。」。
赤とんぼだけが、忙しそうに飛び回っている。
「遅い」私を急かすように。
この上り下りの繰り返しなんだから、勘弁してくれよ ・・・。
折り返して雨がぽつぽつ落ちてきた。
夕方には、九州の北を進む台風の影響があるだろうと言われていた。
そんな雨に追いかけられ、後半の方が山から下るのか、少し楽に感じてペースが上がった。
また来よう。そして、その先まで距離を伸ばそうなどと考えた。
帰りしな、赤とんぼの「赤」が、視界に蘇った。
一かたまりの鶏頭だ。
鶏頭も、今ごろの花だ。
夕方に向かう午後だが、赤が映えている。
いろもさることながら、
ヤリゲイトウは、風景を切り取り、天を突いて
いるかのようだ。
赤は、人の気持ちを前向きにさせる。
鶏頭の赤が燃え盛る炎を彷彿とさせるからか。