秋の陽に、今一番に開いたコルチカムが、道に溢れんばかりだ。
見事に並んで、広がっている。
どんなにたくさん、球根を植えたのだろう、と思う。
この色、薄紫ともピンクとも言える優しい花びら。
イヌサフランの和名を持つコルチカムは、この
頃になると土の中から蕾が顔を出し、サフランに
似た透明感のある美しい花を見せる。
葉を持たないので、「裸の貴婦人」の異名があ
る。花には似合わない毒性があるらしく、サフラ
ンとは違う点だ。
コルチカムの球根は、土や水が無い状態でも花を開く。
だから室内で放っておいても、花壇や鉢でも栽培できる。
かつてテーブルの上において、花を楽しんだことがある。
栽培などといったものではないが、貴婦人と極身近に暮らすことか出来た。