台風が去って2日。
残暑も落ち着いていくという。
暑さ寒さも彼岸までというから、その通りなのだろう。
この山あいの村でも彼岸花で、彼岸の入りになった。
教室の窓より遁(に)げてただ一人
かの城址に寝に行きしかな (啄木)
学校の外に群れ咲く曼珠沙華が、青空に映えながら私を誘惑
していた。実行の日が来たとばかりに、私は窓から飛び出し、
曼珠沙華を抱えるほど採ってきた。ただ嬉しかった。
いつぽんの
まんじゆしやげ見し
しあはせに
(誓子)