新しき年を迎える準備が進まないのは、気持ちがあっちへ行ったりこっちへ行ったりしているからだ。
ふと、VALSHE を思い出す。
「君への嘘」なんて聞いていたのは、2年以上も
昔の、在ったか無かったか確かでないようなことだ。
youtube の声は、時間を縮めるが、実像はない。
その画面の右に並んでいるのは向田邦子の短編集。
こいつら、父の詫び状、隣の女、思い出トランプ、母への贈り物などの朗読を聞いたものだから、自分たちの再びの出番を待っている。
「嘘つき卵」は、黒柳徹子の朗読。鶏を飼う家の
ための 偽卵という瀬戸物の卵があるんだな。
左知子という若い人妻は、妊娠するという。
その偽卵を思い出して、左知子は自分の卵を思
その偽卵を思い出して、左知子は自分の卵を思
う。重く揺れる心が、何かひんやりと固いものにあ
たるような様は、出産適齢期の既婚女性の、時代に
関係なく共通した心模様だというのか。
『隣の女』の文字に、宮本輝の『胸の香り』思い出した。