母の桃の花


 一週間も十日も早い季節の巡りは、もちろん桜だけでなく、チューリップの入学式にも、花のない祭りにも見られる。

 過ぎゆく季節を留めておきたい思いもある。
 大抵何か印象強い出来事に関わるだろう。

 庭の桃も早く満開で、今日を過ぎるときっと散ってしまうだろう。

       
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 この時期、新しい年度が始まるころになるからだろう。いろいろと思い通りにはいかないだろうが、がんばれよ と言われているようだ。

 
 一週間後の20日が母の命日だ。13年の回忌も過ごしている。
 それでも、桃の花が満開になるこの時期になると、必ず日頃の努力の成果を問われるようだ。どうも、せかされているようだ。


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 毎年紅白で咲くのが嬉しい。
 父以上に厳しかった母が、「怠けていないか。」と問うているんだ。


 八木重吉に、「母をおもう」という詩がある。

     けしきがあかるくなってきた
     母をつれて
     てくてくあるきたくなった
     母はきっと
     重吉よ重吉よと いくどでもはなしかけるだろう

 
 「 親孝行 したいときには 親はなし 」だと思う。