今年も、雑草との闘いが始まった。
桜と同じくらいに、いつもより早い。
雨上がりだからか、伸び出した頃だからか、柔らかく感じた。
大きいのは酸葉すいばに、ハルジオン・ヒメジョン。
背は低いか蔓延るのがはこべ、これが始末が悪い。
モンシロチョウがやってくる。怖がる様子もない。
(私は自動刈り払い機で、音を立てているんだから …。)
てんとう虫は記念写真を撮ろうとすると、じっとしてくれない。
同様に、カラスノエンドウが私の徒労を癒してくれる。
草の生長には切りがないのでこれくらいにしようと、庭まで戻る。
石の上に、最後の桃の花びらが散り敷いている。
三好達治の「甃いしの上」が思い浮かぶ。
これは桃、あれは桜 …、いしは甃いしただみ。
あはれ花びらながれ をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音あしおと空にながれ
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ひとりなる
わが身の影をあゆまする 甃いし のうへ
この短い詩を口ずさみながら、先ほどまで降っていた春の雨がほんとに強かったと思い出した。あのような春の雨は、立原正秋の『春の鐘』で、どう描かれていたか …。
こんな詩を講じていたのは、もう4年も前になる。