虫の音響く夜に


 今日は、旧暦だと、葉月の廿あまり八日。
 晩秋に移ろうとしているところだ。

 台風が暖かい空気を残して北へ去った。
 昼を過ぎて、気温が下がって、暮れていった。
 
 
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      秋は夕暮れ。
    夕日の差して山の端いと近うなりたるに、
    からすの寝所へ行くとて、
    三つ四つ、二つ三つなど
    飛び急ぐさへあはれなり。
      まいて雁などの連ねたるが、
      いと小さく見ゆるは、いとをかし。
      日入りはてて、風の音、虫のねなど、
      はたいふべきにあらず。     枕草子


 戌の刻、夜五つともなると、すっかり暮れ果てる。
 澄み切った星空の下で、確かに虫の音が響いている。