台風の被害は、過ぎ去ってからといってすべてが解決するというわけではない。
自然の無情な強さに犠牲になった人たち。怪我をした人たちや住む家を雨風に奪われた人たち。私、多くの人たちが復旧に向けて悪戦苦闘する姿を遠くから見ているだけ。
ささやかなことを気休めと感じて、一歩ずつ元に戻るのを見守るほかない。畑と田ん
ぼから道路に流れ出した草や砂利・泥を始末する人に出会う。
緑の葉っぱもある。公孫樹の病葉だ。
その近くに黄色の点々、銀杏。
なかなか面白いと言ったら、作業している人には申し訳ない。
しかしその人は、災いが落としていった運を是非拾っていってくれと言う。
準備がないからと、丁重に礼を言って辞する。
それが去ってから2日目。
さわやかに晴れ上がった日にならないが、見上げれば黄色の鈴なり。
黄金色か。黄色は、幸を呼ぶと言われている色だ。