データの受け方

 

 「政治とカネ」を巡る疑惑を抱えたまま、通常国会が召集された。

 安倍首相が衆参両院本会議で施政方針演説を行った。

 

     ・全世代型社会保障制度 … ・憲法改正 … ・東京五輪 … 

     ・第4次産業革命 … ・戦後外交の総決算 … ・韓国は…

 

 首相主催の「桜を見る会」の問題や、カジノを含む統合型リゾート(IR)に絡む贈収賄事件には触れなかった。

 

 第201回でも、アベノミクス財政再建の成果を強調した。

 

    日本経済は、この7年間で13%成長し、来年度予算の税収は

   過去最高となりました。公債発行は8年連続での減額でありま

   す。経済再生なくして財政健全化なし。この基本方針を堅持し、

   引き続き2025年度のプライマリーバランス黒字化を目指します。

 

 

        f:id:komut:20200121103446p:plain Asahi digital

 

 20年度の当初予算案での税収見通しは、63.5兆円。

 過去最高と説明しているが、あくまで現段階での「見通し」に過ぎない。実際にはどうなるかは分からない。「過去最高となりました」は言い過ぎだ。

 

 新規国債発行額に触れた後段も、不正確だ。

   企業の業績悪化で法人税収が落ちこんでいるため、19度補正予算

  で下方修正する見込みだ。届かない分を穴埋めするため、特例公債

  (赤字国債)の増発も検討する方針を固めた。

        ― 2019.11.09 麻生財務相 閣議後の会見内容 Asahi digital

 
 耳で聞いている私たちは、見えるデータを受けていないから、大事な言葉に逃げられてしまっても仕方がない。
 言っていることがおかしいと気づいた時には、反論の機会を失っていることが多い。