玄関前の八手が咲こうとしているのを、出がけに見ていた。
安全を願っているかのように、何か幸運でもあるのかと思わせるようでもあった。
いやそう感じたのは、少し不運続きだったので、いい前兆を探していたのか。
まだ開いていない花が、手を合わせているようにも見えたからだ。
晩秋に咲く。ヤツデの花は、冬の季語。
外出先で、ヤツデを探してしまった。
あった。開いていた。
古人は魔除けに植えていたというから、だいたいあるものだ。
手を広げるように茎をたくさん延ばし、球状の花を付けている。
どうだろう。神主が祈祷するときに振る神楽鈴に見えないだろうか。
だから、私には幸運を呼ぶもののように見えてしまうのだ。
ここは、ゴルフ場 ・・・。
一週間前に酷いプレイして今日まで嫌な気分で過ごしてきたが、八手の出迎えで一日過ご
し、帰るまでに厄がすっかり払われ、心も身体も軽くなっていた。
球状花序が円錐花序をつくるヤツデの花の一つは、おもしろい。
そう、新型コロナウイルスの模式図に似ていることだ。
冬に向かっていくのだから、ちょっとアゲンストだって吹くだろう ・・・。注意だ。