冷えた夜は、静かだ。
みんな寝静まって、小さな音でも、私にやってくる。
屋根は結露した水蒸気に冷やされて、僅かに縮んで音を立てる。
縁側の柱も、微かに軋む音をさせてくる。
少し離れた竹林から乾き切っていない音がする。
満月を観ようとする私に、確かに聞けよと言っている。
満月に照らされた竹林
昨夜降った霰のような雪の溶けたのが、枯れた竹にしみこんだのが凍る音だ。
竹は密集していて、日陰だから冷やされたままだ。
もっとも今日は、朝から午前中いっぱい風花が舞い、5℃にも届かない寒い日だった
節分の頃になると、こんな音が家の中からも聞こえるくらいに寒くなる。
この沈黙を、独り占めしているのか、ただ一人だからなのか。