遅霜来る

 

 年が明け、春が立ち、順調に暖かくなって、桜が満開になった。

 そして、昨年より季節の進むのが速いぞ、などと感じるようになっていた。

 

 それでも、花粉はいつもに増していたり、近くで雹が降ったり、自然現象は時には威

力を強めていたり、予想を超えたりしてやってくる。

 

 

 今朝は、遅霜 おそじも (晩霜 ばんそう)だった。

 

         

 

      延び広がったハコベが白く霜をかぶっている。

      これだけ成長していれば、日が差しても萎れ、枯れない。

      雑草なのだから、全く皮肉なものだ。

 

 

 隣の老婆のジャガイモは、早く芽を出したものはやられたようだ。

     

      こっちは大丈夫。 大根か。


     

 6時半、毎朝の物置の庇の下で、1℃ 。

 私の耕作放棄地の雑草は、霜の白に覆われてしまっている。

 

 1時間もすれば、陽が当たってくる。

 氷を押しつけられた草は低温やけど、いや凍傷になってしまう。

 

 屋根に降りた霜は融けて、雨樋を、音を立てて落ちている。

 

 気温は少しずつ上がり始める。

 8時半には10℃、昼には17、8℃、さらに20℃を超えていく。

 

 

         

 

        弱い南風で、鯉のぼりが泳いでいる。

     

 放射冷却ー霜 は、まだ何度かやって来るのだろう。

 一日の寒暖差が20℃もある。繰り返すと雷雨もあり、雹が降ることもある。


 春愁は、朝の冷たい空気から始まる。