よつどめ酒


 時々、林の中、木々の間を走ることがある。
 葉を落とした木々と話しながら走る。

 枝に残っている赤い実を見つけた。   イメージ 1
 そうだ。よつどめだ。
 霜を受けて、黒ずんでいる。
 それでも、触れると赤い汁が指に付く。

 前も、そんなことを言ったかもしれない。
 子どもの頃、食べたと。
 霜に当たって、黒っぽくなった実は、甘く
なっていると、聞いていたと。


 足が自宅に向いて、焼酎漬け(果実酒)にしておいたことを思い出した。もう、3年か、あるいはそれ以上かもしれない。

 25度甲類焼酎に入れたのを出してみた。
 きれいな赤だった。

 イメージ 2 いや、まあきれいな赤だが、濾してないか
 ら少し濁っている感じがしないでもない。
  
  味は。
  果汁が、甲類の焼酎をまろやかにしてい
 る。熟した甘味が実に溜まっていたのを引き
 出されたのだろう。
  りんごのような香りが増して、周りに広
 がったが、やや苦みも出た。これもいい。


 「よつどめ」は、ガマズミのことで、栃木   イメージ 3
茨城県の北部などでは、よつずぐみ、よっつ
ぐみ、よっつどめ、よっとどめなどと呼ばれ
ていた。