時々、林の中、木々の間を走ることがある。
葉を落とした木々と話しながら走る。
枝に残っている赤い実を見つけた。
そうだ。よつどめだ。
霜を受けて、黒ずんでいる。
それでも、触れると赤い汁が指に付く。
前も、そんなことを言ったかもしれない。
子どもの頃、食べたと。
霜に当たって、黒っぽくなった実は、甘く
なっていると、聞いていたと。
足が自宅に向いて、焼酎漬け(果実酒)にしておいたことを思い出した。もう、3年か、あるいはそれ以上かもしれない。
25度甲類焼酎に入れたのを出してみた。
きれいな赤だった。
いや、まあきれいな赤だが、濾してないか
ら少し濁っている感じがしないでもない。
味は。
果汁が、甲類の焼酎をまろやかにしてい
る。熟した甘味が実に溜まっていたのを引き
出されたのだろう。
りんごのような香りが増して、周りに広
がったが、やや苦みも出た。これもいい。
「よつどめ」は、ガマズミのことで、栃木
茨城県の北部などでは、よつずぐみ、よっつ
ぐみ、よっつどめ、よっとどめなどと呼ばれ
ていた。