桜に雪が降った。
枝垂桜に、湿った雪が、かたまって積もった。
ここらでは、染井吉野はわずかに開花したばかりだ。
昨日は21℃まで上がって、一気に満開に向かうはずだったろうが、3℃で雪。
足下の菜の花も、雪に首を垂れ、それを応援する力が出ないのだろう。
まだ雪が降り続いているので空も少し暗く、雪の白とで、カメラも雪をかぶった花をよく読み込めないでいるようだ。私に、加勢する技術がないせいでもある。
満開を過ぎても河津桜は、辺りを明るくしていた。
雪を乗せても、寒がりもせずに華やかだ。
銀蔵爺の「蛍が降るように出るんじゃ。こんなことは滅多に起こること
じゃねぇ。群れっちゅうより塊りっちゅうほうがええがや。・・・ものすごい
数の蛍よ。大雪みたいに、右に左に蛍が降るがや。」(宮本輝『螢川』)が、
実現しそうな春の雪だ。
(銀蔵爺は「桜に雪が降ったら」とは言っていない。「四月に大雪が降ったら」
なのだが、私はそれを「桜に」として竜夫のように、何かいいことが起こる
前兆としたいのだ。)