厳寒の紅白

 

 今朝は、この冬初めて2桁の零下になった。

 空気中の水蒸気も、冬枯れの幹で、雨戸で、とげとげの霜になった。

 

 門松にも添えられず、鳥をも避けた南天にも、真っ白に降りている。

 

         

        f:id:komut:20210110232857p:plain

 

 

 もう少し寒くなって雪になると、一日にしてやられてしまう。

 

 

 年の初めの南天は「難転」で、縁起がいいとされている。

 こんな寒い朝は、これが紅白だからなおさらだ。

 

 

 古今和歌集に、こんな和歌がある。

 

   新しき 年の始めに かくしこそ 

      千歳をかねて たのしきを積め    詠み人しらず 

 

      新しい年の初めに当たり、このように皆が集まって、千年も先の

     繁栄を思い描いて、楽しいことを積み重ねていこう、くらいの意味

     になるだろう。( 1069 詞書きを見ないことにして / 積めと強調している )

 

 

 南天の実が赤い房になっているのを、「楽しきを積んでいる」かのようだと見れば、

年の初めのこの景色は、良きことを一杯集めた状態を予感させると言っていい ・・・。