東日本大震災から10年となった年、11回目の父の命日を迎えた。
今年と同じくらい夏日になろうかという日々が続いていた。
家の東側の赤いつつじが木一杯に満開だった。
今年は季節の巡りがはやく、すでに散華していたから、こんな赤いのを供えた。
まず酒を捧げておいたから、父も、先祖も頷いただろう。
今日はそうしてくれるだろうと、父は思っていたに違いない。
そして夜、何より酒好きだった父と、日本酒を呑み交わした。
向かいに父がいるように、同じグラスで乾杯してから、仏壇に持って行った。
魚が好きだった。よく酒を呑む以前は、あんこたっぷりの饅頭が好きだった。
桜鯛には遅い、旬を過ぎた鯛を供えた。もう、柏餅の時期だからそれで ・・・。
冬が早く過ぎ、春と夏が駆け足で来ると感じるようになっている。
何か孝行らしきものをやろうかというときに、親がいないというのは変わりない。