麦秋の頃

 

 やっぱり梅雨前線の影響なのか、弱いが邪魔な雨が続いている。

 麦秋も、濡れている。

 黄金色がちょっと重い。

        

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 ここらは、ビール麦の産地だ。

 熟した黄金色の穂の海は、収穫を待つばかり。

 

 収穫期を迎えるのは初夏とされてきたが、今年は雨が早そうだから、こんな小雨の中。

 麦は頭を重そうに、晴れ間を待っている。

 今日は、旧暦で4月7日だ。

 

 

 近く遠くに、もう一つの秋がある。

 竹の秋だ。

 

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 竹の葉が黄色くなるのを、秋に紅葉する木々のそれだと言われてきた。

 筍に栄養を与えるためだという。葉をほとんど落とすが、あまり目立たない。

 何だか、髪がなくなっていく私の頭のようで寂しさもある。

 

    竹の秋は、歳時記では春の季語だから、少し遅れた話題になった。

 

 麦は雨が止むのを待っている。

 人には、この停滞をさらなる実りに替える術があるだろうか。