筍が出た。
雨と寒暖を繰り返したが、やっぱり少し早い。
小さいが、食べられる。
かつては人が歩いていた、土の固いところに出た。
母の命日目前だったが、桃はもう咲いてしまったから、どうしようかと思っていたところに、ひょっとやって来た。
冷たい雨だったが、雨後の … の通りだった。
煮て、母に備えた。
竹の黄色い根っこにくっ付いていたところまで柔らかかった。
母も、微笑んだだろう。
筍ご飯にもしてみた。
ああ、明日がどんな日だったかを気にしないで暮らすことができる。