民主派の香港紙「蘋果りんご日報」は、香港国家安全維持法違反罪に問われて、廃刊
に追い込まれた。26年の歴史に幕を下ろした。
24日付の朝刊が100万部印刷され、各地で最後となる蘋果日報を買い求める市民がつ
くった長蛇の列が印象的だ。
国際社会からは香港政府に対し、強い反発が出ている、と報道されている。
蘋果日報は、中国共産党を厳しく批判し続け、香港の報道の自由を象徴する
存在だった。
1997年の中国への返還後、中国資本が報道機関に浸透する中でも「反共」の
旗を掲げ続けた。だが資産凍結という当局の弾圧に耐えきれなかった。
中国の習近平指導部が掲げる「国家の安全」の名のもと、1国2制度で保障
されたはずの報道の自由は失われた。
24日付の朝刊を最後に発行を終えると発表した後、郊外の同紙の社屋周囲
には多くの市民が集結したという。
社員は紙面製作を終了した後、編集スペースから飛び出し、集まった市民
に手を振って別れを惜しんだと。