季節外れ、いや季節を遅らせているのが続いている。
遅霜、そして今日の冷たい雨。
蕾の先が割れて、赤みが目立ってきた桃に、凍えるような雨だ。
桃には、魔除けの威力があるらしい。
この冷たい雨が止めば、開花とともに発揮してくれるだろう。
その向こうに、こいのぼりも、その雨に濡れている。
寒いからか、重いからか、泳げずにじっとしている。
山あいの小さな集落に、何年ぶりかでやってきたこいのぼりも、これには参った。
今日はこれに耐えて、明日こそきっと元気に泳ぐことだろう。
そして、これを掲げた人にも、やっと春が来るのだろう。